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書いてました、「自分の1ダース」

自分の1ダース
ある冬の日曜日、模擬試験のため日下弥生は学生服の袖に腕を通して休日の高校に来ていた。試験が終わって、疲れた頭にと持ってきていたチョコレートを手にすると、それは百瀬裕という女子のものと入れ替わっていた。百瀬に返そうとするも「どうして入れ替わってるって分かったの?」と訊ねられる。さて、どうしてだろう。その理由は弥生自身にも分からなかった……。(第1話「微熱で溶けない程度の問題」)
http://ncode.syosetu.com/n9502db/

まあ、そういうことです。

一応ミステリー、特に「日常の謎」と呼ばれるジャンルの小説を目指して書いた作品になります。短編3話の連作で、文量としては河野裕『いなくなれ、群青』(新潮社、2014)の半分程度になります(新潮文庫nexのレイアウトをMicrosoft Wordで再現する遊びをしていました)。

 

以下、零れ話。
できれば「自分の1ダース」を読んでから見てほしい雑談が続きます。

 --

そういえば面倒くさかったのでルビは全く打っていなかったと思いますが、登場人物の名前とその読みはこの通りです。

  • 日下 弥生(くさか やよい)
  • 續 啓一郎(つづき けいいちろう)
  • 百瀬 裕(ももせ ゆたか)
  • 沢渡 尚純(さわたり なおずみ)

續くらいは振っておくべきだった気がしますが、ルビを振った部分だけ行間が広がったりするの嫌いなんですよね。 高校名の鳥辺は「とべ」と読みます。由来は「To be continued」から。鳥辺と續です。

 

本作の各話タイトルはダブルミーニングというか、つまらない駄洒落になっています。第1話「微熱で溶けない程度の問題」は「溶けない」と「解けない」(書き始めた頃のタイトルは「事件という程ではないけれど」でしたねと懐古)、第2話「オー・マイ・ゴッド」は作中で啓一郎が自ら触れましたが「神」と「紙」、第3話「紫煙を燻(くゆ)らせる」はこれも制作の過程で文中で示そうという方針に転換して出していましたが「紫煙」と「私怨」でした。

言ってしまうと「自分の1ダース」というタイトル自体もそうです。これ実は3話区切りの全12話という儚い構想まであって、そのうちの始めの3話なので、4分の1ダース→しぶんの1ダース→自分の1ダースという風に。我ながらくだらない。

この先を書こうとすれば彼らは高校生なのでイベントには事欠かないのですが、何分ミステリーの仕込みができない限りは進めようがなくてですね……。3話までだと啓一郎の(設定ガバガバな)家の悩みが解決されなくて、それが心残りです。そのためのキャラクター、須江 尋子(すえ ひろこ)もいるのでこの先書き続けられることを祈りましょう。

あと、エピローグとしている部分、あれ、デスクトップに何故かあった冒頭だけの4話のファイルから引っ張ってきました。

 

作中に登場する「チョコレート」は森永製菓が製造・販売しているチョコレート菓子「DARS」です。当初、パッケージの描写はちょっと骨が折れるし、商品名そのまま出してしまおうとか考えていましたが、結局実在の商品名などは一切書かないようにしようという方向になりました。ちなみに、今作の開発コードというか、タイトルが決まるまで(決まってからも)の通称はそのまま「DARS」でした。

電子タバコはいつか小道具に使えないかと思っていて、今作で使用することができました。こういう物は下手に知らないまま書いてしまうわけにはいかないと思い、(個人的にも興味があったので)「フレンバー」という物のスターターキットを購入しました。僕は非喫煙者ですが中々面白いですね、こういうの。ただ、現物はペンよりもちょっと大きいですし、バッテリーの重量もありますし、電子タバコ・電子シーシャで避けられない(らしい)問題「液漏れ」もありますので、作中のように制服のポケットに入れるのはおすすめしません。

(ここまで、2016/02/15 20:06)
(気が向いたりしたら何かしら追記されていくかもしれません)